上司からの激しい叱責や先輩からの無茶苦茶だとも思える要求を受けて、毎日仕事が辛いと感じていませんか?

長い期間パワハラを受けていると、「自分ができていないから」とか「自分が悪いから」と思い込み、自分が異常な事態に身を置いていると気づかずに我慢してしまうことがあります。

この記事では、そのような方のために、パワハラの定義と具体例、退職に至るまでの流れと事前準備について説明していきます。

まずは自分の置かれている状況を自覚することです。

それから退職のために動き出しましょう。

勢いのまま辞めてしまうと、損してしまうこともあるので、事前準備が大切です。

パワハラのない会社はいくらでもあります。

自分を守るための退職は逃げでも甘えでもありません。

パワハラでの退職に悩んでいるなら、上手な辞め方の知識をつけましょう。

パワハラの被害にあったら早めに退職した方がいい

もしパワハラにあってしまったら、すぐに退職することをおすすめします。

なぜならあなたが、毎日パワハラを受けて辛いと感じていても、パワハラをしている当の本人は自覚がないことがよくあるからです。

自覚がない者はまず変わりませんし、元々パワハラ気質のある者だと、指摘してもまず直りません。

直属の上司や同じチームの先輩からパワハラを受けているとなると、毎日苦しみが続きます。

パワハラを受けたことで、その後もトラウマに苦しまされる、うつ病などの精神疾患を発病するということもあります。

退職したいという正常な判断ができているうちに、退職してしまいましょう。

あなたが働けなくなっても会社は何の責任もとりません。

そもそもパワハラの定義とは?

パワハラは上司が部下に対して暴言を吐く、暴力行為を行うことが一般的なイメージとしてありますが、職場内の上下関係だけを示すものではありません。

例えば、ある技術能力が上の人から下の人へ行われるパワハラもあります。

このとき役職は関係ないため、同期から同期へ、部下から上司へのパワハラが行われることもあるわけです。

職場内のパワハラの定義は、厚生労働省が配布している「ハラスメントパンフレット」に記載されており、次の3要素を満たすものをパワハラとして定義づけています。

  1. 優越的な関係を背景とした⾔動
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
  3. 労働者の就業環境が害される

立場的に優位にある者が下位にあるものに対し、逆らわれない立場にいることを利用して、日々の業務に支障がでるほどの嫌がらせを行うことがパワハラにあたるということになります。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

ハラスメントパンフレット|厚生労働省より引用

パワハラにあたる6つの具体例を紹介

ここではどのような行為がパワハラにあたるのか、具体例で詳しく見ていきましょう。

  1. 身体的な攻撃
  2. 精神的な攻撃
  3. 人間関係からの切り離し
  4. 過大な要求
  5. 過小な要求
  6. 個の侵害

厚生労働省は以上の6つを典型例として分類しています。

1.身体的な攻撃

殴る、蹴るなどといった体に直接危害を加える行為です。

書類で叩く、物を投げつけるなどもこれに該当します。

職場内の業務上関係のない喧嘩は該当しないとされています。

2.精神的な攻撃

暴言、人格を否定するような侮蔑によって精神的に苦痛を加える行為です。

「バカ」「役立たず」「死ね」などの暴言や大勢の前での叱責が該当します。

業務上で必要な注意を上司が部下に行うことは問題ありません。

3.人間関係からの切り離し

無視、仲間外れにするなど、職場内での人間関係から孤立させられる行為です。

業務上必要なやり取りを行わない、仕事を与えず別室に隔離するなどの行為が含まれます。

研修を別室で行うのは問題ありませんが、特に理由もなく別室での作業を命じられる、自宅研修を命じられるのはパワハラにあたります。

4.過大な要求

誰が見ても不可能な仕事量の業務を強制する、過酷な状況下で肉体的・精神的苦痛を伴う業務を強制することです。

育成過程での、レベルアップを促す目的の少し難しい業務を与えることは、これに該当しません。

5.過小な要求

明らかに能力を下回る単純作業しか与えない、そもそも仕事を与えないことも過小な要求に該当する行為です。

経営的な理由で一時的に簡単な仕事しかできない場合は、これに該当しません。

6.個の侵害

恋人の有無を執拗に聞く、プライベートな情報を根掘り葉掘り聞こうとすることは、プライバシーの侵害にあたります。

当人同士の親密度で変わるため、判断しづらいものですが、不快だと感じた時点でパワハラと判断していいでしょう。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

ハラスメントパンフレット|厚生労働省より引用

パワハラが原因で退職するまでの流れ

ここでは、実際にパワハラで退職するまでの流れを説明していきます。

基本的な流れは次の4ステップです。

  1. 2週間~1か月までに退職の意思を示す
  2. 退職届を提出する
  3. 必要な引継ぎを行う
  4. 退職した後の手続きを済ませる

退職の意思表明は直属の上司に行います。

しかしその直属の上司からパワハラを受けており、直接伝えるのが難しい場合は、さらに上の上司か別の上司、または人事部に相談するようにしましょう。

基本的には就業規則内にある期間内に退職の意思を示すのが望ましいです。

特に記載がないときは、民法に則り2週間前までに表明すれば問題ありません。

また、パワハラで退職する場合、退職理由を自己都合にするか会社都合にするかが悩みどころです。

パワハラという明らかな実害で退職するなら、会社都合にするべきでしょう。

こちらの退職理由を会社都合にするべき理由については後述します。

引継ぎについては円満退職のためには行った方がいいですが、パワハラで心身ともに弱ってしまい辛いなら、退職の意思を表明した後は有給休暇を使用して退職日まで休んでしまってもいいでしょう。

次の転職先が決まっていなければ、退職後に社会保険や年金、失業保険給付の手続きも必要になりますので、忘れずに申請しましょう。

パワハラで退職する場合に事前にした方がいい3つのこと

パワハラが原因で退職するなら、事前の準備が大切です。

  • パワハラの証拠を集めておく
  • パワハラを相談する
  • 転職先を探しておく

以上の3つをしておくことで、事態が悪い方向に転がるのを事前に防げます。

それぞれ詳しく説明していきます。

パワハラの証拠を集めておく

パワハラの事実を認めさせるためには、第三者が見てもパワハラだと分かる証拠を集めることが大切です。

  • パワハラ発言を録音する
  • 暴力行為が行われている場面を録画する
  • メールのやり取り中にパワハラ発言があれば、保存・プリントアウトしておく
  • パワハラによって怪我や精神状態に異常がある場合には、医者に診断書を書いてもらう
  • 日記を残す

以上のことを意識し、証拠を集めておくようにしましょう。

すぐにパワハラで訴えるような気にはならなくても、民事裁判におけるパワハラの時効は3年です。

退職後に訴えを起こすことは十分可能ですので、事前に証拠集めはしておいた方がいいでしょう。

パワハラを相談する

パワハラが解決さえすれば退職まではしたくないという考えの方も多いかもしれません。

その場合は、社内にある相談窓口を活用しましょう。

一定の規模の会社であれば、相談窓口またはコンプライアンス部署が設置されていることが多いです。

パワハラ被害の報告を受ければ、パワハラを行った者に対して聞き取り調査をしてくれます。

パワハラを含むハラスメント対策がしっかりと取られている会社であれば、社内の環境改善のために動いてくれるでしょう。

会社に相談しても解決しない、パワハラの慰謝料を請求したいという場合は、弁護士に相談・依頼をしてください。

弁護士であれば、法に則ったアドバイス、解決方法を示してもらえます。

多少の費用はかかりますが、それでも解決したい場合は弁護士に依頼するのが解決の早道です。

転職先を探しておく

パワハラが原因で会社を辞めたいと考えているなら、あらかじめ転職先を探しておくことをおすすめします。

理由は2つあり、いつでも退職できるという気持ちの軽さに繋がることと、会社と加害者をパワハラ被害で訴えたい場合、会社にはいられなくなるからです。

転職先を探していることがばれるとパワハラがエスカレートすることもあるため、水面下で行動するようにしましょう。

パワハラで退職するなら退職理由は会社都合にするべき3つの理由

パワハラを受けていると心が弱ってしまい、「自分が悪い」と思い込んではいませんか?

その場合、退職理由を自己都合にしてしまいがちですが、パワハラの場合、会社都合にして退職することもできます。

会社都合にした場合、次のようなメリットがあります。

  • 失業保険の給付が早めに受け取れる
  • 社会保険料の減免が受けられる
  • 損害賠償請求ができる

順番に見ていきます。

失業保険の給付が早めに受け取れる

会社を退職した後の生活を補助してくれる失業保険ですが、給付待機期間があり、すぐに受け取れるというわけではありません。

自己都合で退職をしたときは、失業保険給付申請後に2か月~3か月+7日の給付待機期間が設けられています。

早くても2か月後+7日にしか給付金を受け取れないため、すぐに受け取りたい方にとっては、時間が長く感じることでしょう。

しかし会社都合で退職したときは、失業保険給付申請後に7日間の待機日数で給付金が受け取れます。

また年齢や雇用されていた日数によって、給付される期間も自己都合なら90日~150日ですが、会社都合であれば90日~330日まで大幅に延長されます。

社会保険料の減免が受けられる

退職後の社会保険料の負担は一時的に収入がなくなっている状態では、大きな負担となります。

基本的には会社で加入していた社会保険から国民健康保険に切り替えることになります。

このとき、通常であれば前年度の所得額から保険料を算出しますが、会社都合である場合、前年度の所得額を100分の30として算出します。

納付しなければいけない金額が大幅に軽減されるので、負担も少しは楽になるのではないでしょうか。

損害賠償請求ができる

退職後に加害者及び会社に対して損害賠償請求をしようと考えたときに、会社都合で退職していれば、パワハラが原因で退職に至ったという証明になります。

しかし退職理由を会社都合にして退職させると会社のイメージが悪くなるため、自己都合にするように要求される場合もあります。

脅され、どうしても会社都合で退職させてもらえない場合は、一旦自己都合で退職をしておきましょう。

後日ハローワークで、離職票に退職理由の同意をするときに理由を話せば、会社都合に変更させてもらえることもあります。

まとめ

厚生労働省はパワハラにあたる典型例を6つ示していますが、指導とパワハラの境界線があいまいなところもあります。

したがって、パワハラを第三者に認めさせるためには、暴力行為や暴言などのパワハラ行為を、録音・録画などでしっかりと証拠を残しておくことが重要です。

録音・録画がとれない状況でも、毎日日記に残すだけでも証拠になります。

また退職理由は自己都合にしてしまいがちですが、パワハラは会社都合になりえます。

会社都合で退職した場合のメリットもあり、次の転職先が決まっていなければ恩恵は大きいものです。

パワハラの被害にあってしまうと心も体もボロボロになってしまいます。

退職を考えられる精神状態のうちに、早めに退職に向けて動き出しましょう。

編集部イチオシの退職代行2選!

弁護士法人みやび・・・退職+それ以外の未払い費用の請求もサポートして欲しい人におすすめ。

弁護士資格を保有しているため、通常の退職代行に加えて、「有給取得」や「未払い給与への対応」、「退職金の請求」の交渉まで依頼できる。

退職代行は55,000円(税込)で依頼でき、それ以外の交渉などは回収した金額の20%の費用で依頼可能。

退職代行Jobs・・・とにかく早く&弁護士よりも安価に辞めたい人におすすめ。

労働組合(合同労働組合ユニオンジャパン)と提携している退職代行。

24時間対応だから即日退職可能で現金後払いもOK。有給休暇の申請も無料でサポート。

退職代行(27,000円)+労働組合(2,000円)で依頼できる。